食品の事故情報の整理・分析

2017年(1月〜12月)の事故情報についての整理・分析

告知理由別に見た事故情報

 2017年の事故情報の状況は、年間総件数750件で、2016年の839件よりも89件(前年比89.3%)と大幅な減少となった。ただし、総件数は2009年−577件、2010年−651件、2011年−554件、2012年−705件、2013年−488件、2014年−643件、2015年−822件であるので、ここ9年間の全体の流れとしては増加の傾向を示してきたと言える。しかし本年を境に減少傾向への転向、もしくはプラトーに達したという見方もできるかもしれない。月平均値は62.5件、月別の件数で平均値を上回った月は、5月(65件)、6月(69件)、7月(63件)、9月(77件)、10月(74件)、11月(85件)、12月(71件)であり、1年間の中では後半に若干の増加傾向が見られたことは昨年・一昨年と同様である。
 告知理由別では「不適切な表示/アレルゲン」が165件(22.0%)と最多で、昨年の206件(24.6%)から41件の大幅減となった(前年比80.1%)。次いで「期限表示の誤記(不適切な表示)/設定期限を超えて誤記」が138件(18.4%)で前年の117件(13.0%)から21件増(前年比118%)であった。さらに「微生物及び化学物質の混入(微生物の増殖を含む)/カビ、酵母等の微生物」が77件(10.3%)で前年の98件(11.7%)から21件の減少となった(前年比78.6%)。これら「アレルゲンの誤表示」「設定期限を超えて誤記」「カビ、酵母等の微生物の混入」が告知理由の上位3種であることは、2009年の調査開始以来同一である。これら3種の内「アレルゲンの誤表示」と「カビ、酵母等の微生物の混入」は、全体件数の減少に伴っての減少と見られるが、特に「カビ、酵母等の微生物の混入」は2年連続の減少であり、1つの傾向と捉えて良いと思われる。一方、全体件数の減少に反して「設定期限を超えて誤記」は2年連続で増加しており、また期限表示の誤記という大枠でとらえても2013年以降、100件、126件、160件、160件、175件と増えており、明らかに事故発生要因として増加の傾向があると思われる。
 「不適切な表示/アレルゲン」165件の内訳については、告知理由1件に複数のアレルゲン品目が含まれる場合、アレルゲン品目ごとにカウントを行うと、品目別の総数は255件となり、そのうち「乳」が70件、「卵」が56件、「小麦」が49件で、これら3品目の合計件数は175件となり、アレルゲン品目全体255件の68.6%を占めた。この他では「えび」が20件、「かに」が6件、「落花生」「そば」がそれぞれ5件等であった。
 告知理由として上記3種に次ぐものとして「表示関連以外の法令違反(その恐れを含む)」が61件(8.1%、昨年は96件(11.4%))、「異物(夾雑物を含む)の混入/昆虫・毛髪等生物由来異物、及び軟質異物」が55件(7.3%、昨年は47件(5.6%))、「異物(夾雑物を含む)の混入/ガラス片や金属等硬質異物」が53件(7.1%、昨年は42件(5.0%))、「品質不良(殺菌不十分、変色、風味変化などの不良品)」が48件(6.4%、昨年は67件(8.0%))であった。「表示関連以外の法令違反(その恐れを含む)」が発生件数、発生割合ともに増加傾向であったが、本年は減少に転じた。内訳の詳細な分析は行っていないが、国内未承認の添加物や残留農薬等の違反、基準値を超える添加物・放射性物質等による事故件数が減少したと思われる。
「異物(夾雑物を含む)の混入」に関して大枠で捉え、「ガラス片や金属等硬質異物」と「昆虫・毛髪等生物由来異物、及び軟質異物の混入」の合計で見ると、2009年が48件(8.3%)、2010年が70件(10.8%)、2011年が41件(7.4%)、2012年が53件(7.5%)、2013年が30件(6.1%)、2014年が71件(11.0%)、2015年が120件(14.6%)、2016年が89件(10.6%)、そして2017年が108件(14.4%)であった。件数、発生割合の増加が昨年は見られなかったが、過去8年間を通して見ると、全体としてはやはり徐々に増加の傾向があると言えるだろう。

各月の表示切替:      
(単位:件、%)
No 告知理由 2017年
暦年合計
各月のデータ
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
1 微生物及び化学物質の混入(微生物の増殖を含む) 食中毒事故原因の微生物、化学物質
22
(2.9)
2
(5.0)
4
(7.5)
1
(2.2)
1
(1.4)
3
(4.8)
1
(1.9)
5
(6.5)
1
(1.4)
3
(3.5)
1
(1.4)
2 カビ、酵母等の微生物
77
(10.3)
3
(7.5)
2
(3.7)
2
(3.8)
3
(6.5)
5
(7.7)
9
(13.0)
6
(9.5)
6
(11.3)
8
(10.4)
18
(24.3)
9
(10.6)
6
(8.5)
3 異物(夾雑物を含む)の混入 ガラス片や金属等硬質異物
53
(7.1)
2
(5.0)
4
(7.4)
4
(7.5)
5
(10.9)
8
(12.3)
10
(14.5)
3
(4.8)
1
(1.9)
3
(3.9)
3
(4.1)
6
(7.1)
4
(5.6)
4 昆虫・毛髪等生物由来異物、及び軟質異物
55
(7.3)
2
(5.0)
3
(5.6)
5
(9.4)
6
(13.0)
4
(6.2)
4
(5.8)
5
(7.9)
6
(11.3)
1
(1.3)
1
(1.4)
9
(10.6)
9
(12.7)
5 容器・包装不良
15
(2.0)
1
(2.5)
1
(1.9)
2
(4.3)
2
(3.1)
1
(1.4)
1
(1.3)
5
(6.8)
2
(2.8)
6 期限表示の誤記(不適切な表示) 期限表示(設定期限を超えて誤記)
138
(18.4)
10
(25.0)
11
(20.4)
12
(22.6)
9
(19.6)
10
(15.4)
5
(7.2)
5
(7.9)
10
(18.9)
24
(31.2)
14
(18.9)
19
(22.4)
9
(12.7)
7 期限表示(設定期限より前に誤記)
11
(1.5)
1
(2.5)
3
(5.6)
4
(7.5)
1
(1.5)
1
(1.4)
1
(1.4)
8 期限表示(記載もれ、貼付もれ)
23
(3.1)
4
(7.4)
2
(3.8)
3
(6.5)
1
(1.5)
5
(7.2)
1
(1.6)
3
(3.9)
1
(1.4)
2
(2.4)
1
(1.4)
9 期限表示(印字不明瞭)
1
(0.1)
1
(1.2)
10 期限表示(その他)
2
(0.3)
2
(3.8)
11 不適切な表示 食品添加物
22
(2.9)
2
(5.0)
1
(1.9)
1
(2.2)
2
(3.1)
3
(4.3)
4
(6.3)
3
(5.7)
1
(1.3)
2
(2.7)
1
(1.2)
2
(2.8)
12 アレルゲン
165
(22.0)
6
(15.0)
15
(27.8)
13
(24.5)
12
(26.1)
13
(20.0)
12
(17.4)
15
(23.8)
11
(20.8)
18
(23.4)
14
(18.9)
14
(16.5)
22
(31.0)
13 誇大表示、優良誤認
2
(0.3)
2
(2.4)
14 その他の不適切な表示
32
(4.3)
3
(7.5)
2
(3.7)
1
(1.9)
1
(2.2)
1
(1.5)
2
(2.9)
4
(6.3)
3
(5.7)
2
(2.6)
3
(4.1)
7
(8.2)
3
(4.2)
15 表示関連以外の法令違反(その恐れを含む)
(計量法関連(量目など規格不良)、食品衛生法関連(国内未承認の添加物・放射線照射等、残留農薬等違反等))
61
(8.1)
3
(7.5)
2
(3.7)
1
(1.9)
1
(2.2)
12
(18.5)
5
(7.2)
6
(9.5)
7
(13.2)
5
(6.5)
7
(9.5)
9
(10.6)
3
(4.2)
16 品質不良
(殺菌不十分、変色、風味変化などの不良品)
48
(6.4)
5
(12.5)
4
(7.4)
3
(4.6)
7
(10.1)
9
(14.3)
3
(5.7)
6
(7.8)
4
(5.4)
2
(2.4)
5
(7.0)
17 賞味期限切れ、期限切れ原材料の使用
23
(3.1)
3
(5.6)
2
(3.8)
2
(4.3)
3
(4.6)
5
(7.2)
2
(3.2)
2
(3.8)
1
(1.2)
3
(4.2)
18 その他(お詫びのみで回収理由が不明、判断不能等)
合計
750
(100)
40
(100)
54
(100)
53
(100)
46
(100)
65
(100)
69
(100)
63
(100)
53
(100)
77
(100)
74
(100)
85
(100)
71
(100)
注1: ()内の数字は各合計に占める割合(パーセント)を示す。
注2: 事故内容が同一である社告が関係する製造メーカー、流通企業等から複数出されている場合には各社告を1件として複数カウントしている。
注3: ひとつの社告が複数の新聞、Webサイトに公表されている場合には、まとめて1件としてカウントしている。
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