食品の事故情報の整理・分析

2016年(1月〜12月)の事故情報についての整理・分析

告知理由別に見た事故情報

 2016年の事故情報の状況は、年間総件数839件で、2015年の822件よりも17件(前年比102%)の増加となった。総件数は2009年が577件、2010年が651件、2011年が554件、2012年が705件、2013年が488件、2014年が643件であるので、引き続き増加傾向を示している。ただし2016年に関しては2013年から2015年にかけての著しい増加傾向は見られなかった。月平均値は69.9件、月別の件数で平均値を上回った月は、1月(72件)、5月(77件)、6月(73件)、7月(78件)、8月(75件)、11月(100件)、12月(75件)であり、1年間の中では後半に若干の増加傾向が見られたことは前年と同様である。
 告知理由別には、「不適切な表示/アレルゲン」が206件(24.6%)と最多で、前年の187件(22.7%)から19件増加した(前年比110%)。次いで「期限表示の誤記(不適切な表示)/設定期限を超えて誤記」が117件(13.0%)で前年の107件(13.0%)から10件増(前年比109%)であった。さらに「微生物及び化学物質の混入(微生物の増殖を含む)/カビ、酵母等の微生物」が98件(11.7%)で前年の129件(15.7%)から31件の減少となった(前年比76.0%)。これら「アレルゲンの誤表示」「設定期限を超えて誤記」「カビ、酵母等の微生物の混入」が告知理由の上位3種であることは、2009年以来同一である。これら3種はいずれも件数が増加しているが、発生割合から見ると「アレルゲンの誤表示」と「設定期限を超えて誤記」がやや増加、「カビ、酵母等の微生物の混入」は減少傾向にあると言える。
 「不適切な表示/アレルゲン」206件の内訳については、告知理由1件に複数のアレルゲン品目が含まれる場合、アレルゲン品目ごとにカウントを行うと、品目別の総数は267件となり、そのうち「小麦」が86件、「乳」が64件、「卵」が37件で、これら3品目の合計件数は187件となり、アレルゲン品目全体の70.0%を占めた。この他では「えび」が24件、「かに」が10件、「落花生」が5件等であった。
 告知理由として上記3種に次ぐものとして「表示関連以外の法令違反(その恐れを含む)」が96件(11.4%、前年は56件(6.8%))、「品質不良(殺菌不十分、変色、風味変化などの不良品)」が67件(8.0%、前年は73件(8.9%))、「異物(夾雑物を含む)の混入/昆虫・毛髪等生物由来異物、及び軟質異物」が47件(5.6%、前年は61件(7.4%))、「異物(夾雑物を含む)の混入/ガラス片や金属等硬質異物」が42件(5.0%、前年は59件(7.2%))であった。「表示関連以外の法令違反(その恐れを含む)」が発生件数、発生割合ともに増加傾向である。内訳の詳細な分析は行っていないが、国内未承認の添加物や残留農薬等の違反、基準値を超える添加物・放射性物質等が散見された。
「異物(夾雑物を含む)の混入」に関して、「ガラス片や金属等硬質異物」と「昆虫・毛髪等生物由来異物、及び軟質異物の混入」の合計で見ると、2009年が48件(8.3%)、2010年が70件(10.8%)、2011年が41件(7.4%)、2012年が53件(7.5%)、2013年が30件(6.1%)、2014年が71件(11.0%)、2015年が120件(14.6%)、そして2016年が89件(10.6%)であった。件数、発生割合の増加傾向は2016年に関しては見られなかった。

各月の表示切替:      
(単位:件、%)
No 告知理由 2016年
暦年合計
各月のデータ
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
1 微生物及び化学物質の混入(微生物の増殖を含む) 食中毒事故原因の微生物、化学物質
26
(3.1)
1
(1.4)
3
(6.3)
7
(9.1)
3
(4.1)
2
(2.6)
3
(5.1)
7
(7.0)
2 カビ、酵母等の微生物
98
(11.7)
7
(9.7)
7
(10.1)
7
(14.6)
5
(8.9)
11
(14.3)
12
(16.4)
6
(7.7)
9
(12.0)
5
(8.5)
9
(15.8)
11
(11.0)
9
(12.0)
3 異物(夾雑物を含む)の混入 ガラス片や金属等硬質異物
42
(5.0)
2
(2.8)
3
(6.3)
1
(1.8)
2
(2.6)
8
(11.0)
7
(9.0)
6
(8.0)
2
(3.4)
2
(3.5)
6
(6.0)
3
(4.0)
4 昆虫・毛髪等生物由来異物、及び軟質異物
47
(5.6)
5
(6.9)
4
(5.8)
2
(3.6)
5
(6.5)
3
(4.1)
4
(5.1)
6
(8.0)
2
(3.4)
4
(7.0)
9
(9.0)
3
(4.0)
5 容器・包装不良
22
(2.6)
1
(2.1)
1
(1.8)
4
(5.2)
4
(5.5)
2
(2.6)
3
(4.0)
3
(5.1)
1
(1.0)
3
(4.0)
6 期限表示の誤記(不適切な表示) 期限表示(設定期限を超えて誤記)
117
(13.9)
8
(11.1)
9
(13.0)
8
(16.7)
8
(14.3)
16
(20.8)
8
(11.0)
12
(15.4)
17
(22.7)
6
(10.2)
7
(12.3)
12
(12.0)
6
(8.0)
7 期限表示(設定期限より前に誤記)
12
(1.4)
3
(4.3)
1
(2.1)
1
(1.3)
1
(1.4)
2
(2.7)
2
(3.4)
1
(1.0)
1
(1.3)
8 期限表示(記載もれ、貼付もれ)
26
(3.1)
3
(4.2)
3
(5.4)
2
(2.6)
4
(5.5)
3
(3.8)
5
(6.7)
1
(1.7)
1
(1.8)
1
(1.0)
3
(4.0)
9 期限表示(印字不明瞭)
1
(0.1)
1
(1.7)
10 期限表示(その他)
4
(0.5)
1
(1.8)
1
(1.3)
1
(1.4)
1
(1.3)
11 不適切な表示 食品添加物
9
(1.1)
1
(1.4)
1
(2.1)
1
(1.4)
3
(4.0)
1
(1.7)
2
(2.7)
12 アレルゲン
206
(24.6)
8
(11.1)
14
(20.3)
13
(27.1)
18
(32.1)
15
(19.5)
14
(19.2)
18
(23.1)
12
(16.0)
13
(22.0)
15
(26.3)
31
(31.0)
35
(46.7)
13 誇大表示、優良誤認
1
(0.1)
1
(2.1)
14 その他の不適切な表示
36
(4.3)
5
(7.2)
2
(4.2)
3
(5.4)
2
(2.6)
3
(4.1)
8
(10.3)
2
(2.7)
2
(3.4)
2
(3.5)
7
(7.0)
15 表示関連以外の法令違反(その恐れを含む)
(計量法関連(量目など規格不良)、食品衛生法関連(国内未承認の添加物・放射線照射等、残留農薬等違反等))
96
(11.4)
31
(43.1)
22
(31.9)
5
(10.4)
3
(5.4)
5
(6.5)
5
(6.8)
7
(9.0)
2
(2.7)
4
(6.8)
3
(5.3)
5
(5.0)
4
(5.3)
16 品質不良
(殺菌不十分、変色、風味変化などの不良品)
67
(8.0)
4
(5.6)
2
(2.9)
7
(12.5)
3
(3.9)
3
(4.1)
8
(10.3)
6
(8.0)
12
(20.3)
11
(19.3)
8
(8.0)
3
(4.0)
17 賞味期限切れ、期限切れ原材料の使用
26
(3.1)
3
(4.2)
2
(2.9)
3
(6.3)
3
(5.4)
2
(2.6)
2
(2.7)
1
(1.3)
1
(1.3)
2
(3.4)
3
(5.3)
1
(1.0)
3
(4.0)
18 その他(お詫びのみで回収理由が不明、判断不能等)
3
(0.4)
1
(1.8)
1
(1.3)
1
(1.4)
合計
839
(100)
72
(100)
69
(100)
48
(100)
56
(100)
77
(100)
73
(100)
78
(100)
75
(100)
59
(100)
57
(100)
100
(100)
75
(100)
注1: ()内の数字は各合計に占める割合(パーセント)を示す。
注2: 事故内容が同一である社告が関係する製造メーカー、流通企業等から複数出されている場合には各社告を1件として複数カウントしている。
注3: ひとつの社告が複数の新聞、Webサイトに公表されている場合には、まとめて1件としてカウントしている。
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